FC2ブログ

無農薬と無化学肥料栽培

新規就農=有機栽培というイメージが強いらしく、よくそこを問われます。が、個人的にはあえてそこにこだわってはいません。今日はその思うところをひとつ。

茶という作物は、他の植物同様タンニンなどと呼ばれるいわゆる「えぐみ」「苦味・渋味」を当然持っています。それは植物が少しでも動物に食べられるのを避けようとしてつくり出すもので、人間も嫌いますよね。無農薬で栽培した場合、茶も食害を受けると被害を減らそうとこの「えぐみ」や「苦味・渋味」をたくさんつくるようになります。なので、見た目が悪くなったり、収量が減ったりする上、味も落ちてしまいます。ということで、おいしい茶をつくるなら欠かせないと思っています。

が、現実には病虫害のまだ発生しにくい気温の低い春先に一番茶を収穫するため、あまり被害が出ないことや、夏場の農薬散布作業が非常にきついこと(暑いため)、農薬代がかかることなどから、香ル茶園を含む多くの茶園で無農薬、または減農薬となっています。二番茶を緑茶加工していた時代は必須でしたが、一番茶しか摘採しなくなった今は必要なくなったということです。が、夏場に病虫害にやられてチャノキの体力が落ちるため、結果的に一番茶の収量も落ちます。

ちなみに二番茶を紅茶に加工する場合には、むしろその「えぐみ」等の成分の一部が発酵過程で香り成分に変化することもあって、虫害(特にウンカ<チャノミドリヒメヨコバイ>)を受けた方がよりよいものができると言われています。が、経験上言いますと、ほんとに収量がガタ落ちです(^^;)


次に化学肥料についてですが、茶は成長に必要な分以上にチッ素成分を吸収すると、新芽内でアミノ酸(旨み成分)として蓄えます。よって、もちろん限界はありますが、チッ素を与えれば与えるほどおいしくなる、というわけです。これを化学肥料に頼らず、有機肥料でまかなおうとすると、ものすごい量の有機肥料を入れる必要があります。

人によっては味の素が入ってるみたいとアミノ酸の多い茶を敬遠する人もいますので、その辺は好みですが、肥料の量によって味が変わるというのは、私も実際、自分の茶で経験済みです。で、自分でも飲むので、やっぱりおいしいお茶が飲みたいという気持ちがあって、適正と言われる範囲で化学肥料を使用しています。


以上がその理由ですが、もうひとつ、影に隠れて見えない現実もあります。

それは、仁淀川町という地域が抱える問題です。まず、農家(というか住民)がとても高齢化しています。その中で出てくるのは「草も手で引いたらえいとは思うけんど、もう体力がなくてねぇ」と、それでも十分重い除草剤の液体をタンクに入れて背負って、道ばたの雑草に薬をかけながら山道をゆくおばあちゃん。人も通る、草ボウボウにするわけにもいかない、その一心で除草剤をまく彼女に誰が文句を言えるでしょう。

山の斜面につくられた茶畑。横まで車で行ければいいけど、うちと同じく山道を登らなければ行けないところの方が多いのが現実です。同じく高齢化の中、どうやったら十分な有機肥料を畑へ入れることができるでしょうか。私でも化学肥料でさえキツイと思うのに。

そうした様々な要因で、私は特に無農薬、無化学肥料にはこだわっていません。それよりもまず、茶畑を守っていくこと、今まで仁淀川町の人たちが培ってきたおいしいお茶をつくる技術を受け継ぐこと。その2点を優先したいと思います。

その上で、除草剤は極力使わない、農薬は時期や種類などを見極めて効果的な利用で回数を減らす、化学肥料は適量をこまめに施肥し流出量を減らすなど、少しでも環境に負荷をかけないお茶づくりを心がけていきたいです。
スポンサーサイト



【香ル茶】茶畑作業日誌

高知県仁淀川町で「香ル茶」という紅茶を製造販売中!作業のあれこれや加工の話など茶全般を書いていきます。

プロフィール

くりけい

Author:くりけい
(なんちゃって)茶農家のくりけいです。コメントはホームぺージの掲示板へお願いします。トラックバックは受け付けておりません。ご了承ください。【香ル茶の注文はリンクの「ビバ!沢渡」からお願いします。】

リンク
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カレンダー
02 | 2011/03 | 04
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
FC2カウンター
このページのトップへ